モロッコ料理レシピ本「The Food of Morocco」が素敵

家でついているテレビチャンネルと言えば、ほとんどいつもFrancofonieの広告塔、フランスTV5。そんな我が家ではマグレブのレシピが標準食(大嘘)。

エジプトとマグレブ諸国で「アラブの春」が世間の話題となっていた時期にも「ひき割り小麦」食文化と「クスクス食文化」の境界線はどこにあるのか、などとまったく視点がずれていた話で盛り上がっていた(この解答についてはフランスで比較文化研究をしている人の「クスクスの謎」という本に詳しい)。

そんな我々が香港のブックストアで表紙の絵に引き込まれるように手にしたのが「The Food of Morocco」。モロッコ料理のレシピ本。

以前、衝動買いしたインド料理のレシピ本よりもさらに厚い重い。500ページを超える本格派。

さすがに香港から持って帰るのも手間なので、amazon.co.ukに発注

レシピ本なんだけど、とにかく写真が美しい。食をレシピとしてだけではなくて、食文化として伝える趣旨。だから写真も料理の写真だけではなくて、現地で調理をしている調理場の風景や食べている街頭の人の表情も捉える。モロッコ料理のリアリティはここにあり、と。

IMG_3231-lightroomed.jpg「The Food of Morocco」、Paula Wolfert著

19歳の時にモロッコに足を踏み入れて以来、50年以上もモロッコを始めとするマグレブ、地中海圏の料理を研究・取材している著者。この本もこれまで知られていなかった地方料理にまで踏み込んで本来のモロッコ料理レシピを収集する。











IMG_3232-lightroomed.jpg美味しそうな写真。豆のスープだよね。朝ごはんかな。
スープにスプーンが1本、ただそれだけでこの本のレシピにリアリティが生まれる。










IMG_3233-lightroomed.jpgタジン鍋がずらり。

タジンレシピの充実ぶりと言ったら!この鍋の数並み!

というか、この本ではまず新しいタジン鍋のエージング方法から入ります。






IMG_3234-lightroomed.jpgフランスのレシピに度々出てくるカルドン

そうか、やはりこちらから(にも?)来たのか。これ日本でも普通に売らないのかな。フキノトウ、ブロッコリーやセロリが売れる国なんだから、絶対売れるのに。








IMG_3235-lightroomed.jpg正真正銘の「モロッコいんげん豆」!

海外ではこれグルグルに巻いて売ってるのよね。。。










タジンを代表としてモロッコ料理の良いところは肉と一緒にたくさんの野菜が摂れるところ。タジンのタンパク質だって羊じゃなくても牛でも鶏でも魚でもいいしね。イスラム圏じゃあ絶対やらないだろうけど、原理的には豚でもまったく問題なく作れちゃう。野菜はカブでも大根でも人参でもなんでもいい。材料が沢山種類あればあるほど美味しい。

採れる野菜が違っても、食べる肉が違っても、人間の味覚の発達の仕方がモロッコでも日本でもちゃんとお互い分かり合える様になってる。

なにかすごいことのように思えるけど、忘れかけてた基本中の基本。




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マンゴパウダースパイス

どこかのインド料理本で見かけたマンゴパウダー。マンゴチャツネとは違う。マンゴを乾燥させて粉末にしたものらしい。フレーバーパウダーと考えればそこまでだけど、見かけた本での分類はあくまでもスパイス。

日本でも通販で入手できるらしいことは知っていたが、ふらりと入ったハラルフード専門の食材店で見つけたので買ってみた。店はパキスタンの人がやっていたけど、この商品はインド製。

IMG_1491-lightroomed.jpgドライマンゴパウダー。「Pure & Fresh」と書いてあるけど、ドライパウダーでFreshはなかろう~。と思いつつ、パウダーになる前のフルーツがフレッシュだと言いたいのかと好意的に解釈。














IMG_1494-lightroomed.jpg箱の中味。外見はクミンパウダーか、コリアンダーパウダーか、といったところ。









IMG_1496-lightroomed.jpg粉末の状態。口に入れてみると酸味があって美味しい。インド料理と言わず、なんでも合いそう。甘くないわけではないけど、マンゴーの甘みよりはずっと酸味を感じる。青マンゴーからなのかな。

購入したその日はニンジンのサラダにクミンシードと一緒に入れてみた。ヨーグルトの上にかけてマンゴラッシー化してもよさそう。魚のソテーを焼く途中でふりかけてもいい。夏の食欲減退時にはこういうしゃきっとしたフレーバーが嬉しい。





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India: The Cookbook (1.5KG)

indiacookbook20120504.jpgとあるインド料理店の店内でさりげなくディスプレィされたインド料理本の中に特異な存在を発見。

とにかくデカイ。本の背表紙に本の重量(1.5KG)が書いてある!

で気になってみて、タイトルからamazon検索をしてみる。

 

「India: The Cookbook」(リンクはamazon.co.jpの該当商品ページへ)。

頼んだメニューがやってくるまでの店内でうっかり発注してみた。

やってきたその本はなんといま流行りのトートバック入り!


CookbookPicture20120504.jpg総ページ数が960ページにもわたる総合インド料理本。ビリヤニとプラオだけで1チャプター割いてあるような感じ。北から南まで。

ベジタリアンメニューやお米メニューが豊富なので、夏のスタミナ不足をスパイス料理のバリエーションで乗り切りたい人にオススメ。


湯洗い法でパスタみたいに茹でたパキスタン米と、この本さえあれば、夏バテも乗り切れそうな気がする。。。
 


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フランスのバレエ雑誌2題

ATENARIブログの中の人がひそかにバレエ好きということは広く知られたことですが(嘘)、そんなわけでここにはバレエ雑誌が転がっています。

以前、英語フランス語イタリア語が併記になっていて「語学学習とバレエ鑑賞が正々堂々と両立出来る!」というなんともあり得ないくらいニッチな(自分たちだけ?)ニーズに合致した雑誌、「Ballet 2000」を紹介しました。

今回はその後に購読してみたフランスのバレエ専門雑誌を紹介します。「Danse」誌「Danser」誌です。「これ商標登録的には微妙で係争あるんだろうな。。。。」みたいな似たタイトル同士ですけどね。。。。

しかし内容と体裁は「Danse」誌と「Danser」誌で大きく違います。

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まずは「Danse」誌。この年間12回発行の月刊誌はバレエ舞台にかなり特化していて、公演記事、コンクール記事などはありますが、本当舞台関連の写真、記事しかありません。特集記事も例えばグルジアで行われた「アナニアシヴィリの舞台生活30周年」記念公演にまつわるものだったりします(この記念公演は日本の新書館が出しているバレエ雑誌「ダンスマガジン」でも今月発行の最新号で特集されるはずです)。

ananiashvili20120506.jpgアナニアシヴィリ舞台生活30周年記念公演の記事

公演だらけ、と言ってしまえばそれが一番ふさわしい形容になるのですが、日本のバレエ雑誌ではめったに紹介されないようなフランスの地方バレエ団やヨーロッパのバレエ学校の舞台公演を紹介してくれます。
danse20120524a.jpgミラノ・スカラ座バレエ学校の公演を両面見開き写真で、なんて日本ではお目にかかれない。。。

地元(発行元はパリです)パリ・オペラ座バレエ学校の舞台公演ともなると何ページにもわたってページを割いて写真付きで記事にしています。フランス国内だと地方のバレエ団だけでなく、日本ではあまり知られてないコンクールもカバー、フランスバレエ文化の懐の深さを改めて実感できます。カットを厳選しているに違いない舞台写真もとにかく素晴らしいです。本当にバレエが(特にフランスを中心とするヨーロッパ西半分のバレエが)大好きでとにかくどんなバレエでもバレエ公演でも貪欲に知っておきたい、という「Balletholic」さん、「Theatre-Goer」さんなら必携の雑誌です。日本では知られないままの奥深い、幅広いバレエ界を知っておかないと何か損した、何か間違ったままでいるような気もしますし。。。。

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一方の「Danser」誌。こちらは年6回発行の隔月刊になりますが、インタビュー記事やメイキングの取材もあって、舞台評以外の特集記事も多彩です(紙も印刷も良く、お値段もこちらの方がちょっと高い。それでも7.50ユーロぽっきり)。2012年3・4月号ではパリオペラ座バレエ・エトワール、ルテステュのインタビューや、日本で何回も公演をしているアクラム・カーンがバングラデッシュに里帰りする紀行も。写真だけ見ていても、読み物として読んでも楽しいです。

agnes20120506.jpgルテステュのインタビュー


danse20120524b.jpgアクラム・カーン、バングラを行く


また「Danser」の2012年5・6月号には日本でも人気の高いシルヴィ・ギエムが反捕鯨団体「シー・シェパード」のロゴが入った帽子をかぶって、自分は支援者だと発言して、日本ではとても翻訳転載できなそうな(?)インタビューとかウィリアム・フォーサイスのインタビューとか。

danser20120524.jpg相変わらずやってくれますな。


前述した「Ballet 2000」ともども、これらのバレエ雑誌はフランスの雑誌オンライン通販サイト「Journaux.fr」(リンクは同サイトの「音楽・ダンス」カテゴリーに飛びます)で、1冊ずつあるいは事前購入予約で発送してもらえます。「Danse」と「Danser」の2冊を頼んで、日本までの送料込みですと22ユーロちょっとでした。だいたい雑誌本体と同じくらいの送料がかかりますが、航空便で1週間ちょっとで到着しますから、元の定価の安さと中味の濃さを考えると、日本のバレエ雑誌の値段と比較しても割りは良い方だと思います。フランス語も勉強できるし!

それぞれに定期購読もできるのですが、海外への送料を加えるとなるとメールでの問い合わせが必要になることもあるのでちょっと面倒臭いかも知れません。一度単体購入して中味を確かめてから試みられるといいと思います(雑誌内広告で定期購読の詳細もあります)。

「Danser」誌の場合は、公式サイトでも購入、定期購読を申し込めます。ひとつお薦めしておきたいのは「Danser」のバックナンバー。発売からある程度古くなったバックナンバーで在庫が残っていると公式サイトならば値段が安くなるのです。

ということで、1ユーロ100円ふたたび突破を記念して。。。。もう直接観に行った方が安いよ、パトラッシュ。。。。サーチャージさえ無ければ。
 

フランス最長寿クイズ番組「Des Chiffres & Des Letteres」が40周年!

イタリアのソープドラマ「Un Posto al Sole」が3500回を記念、という話をしたばかりですが、フランスでも長寿番組が40周年を迎えました。France3が放送するクイズ番組の「Des Chiffres & Des Letteres」です。

そういえばrai.tvのiPhone/iPadアプリを紹介した際に登場したイタリアRAI1のクイズ番組、「L'Eredita」も10年以上続いています。イタリアもフランスもクイズ番組好きですよね。RAI1の「Affari Tuoi」とか、箱の開けッ子するだけでどこが面白いのか自分には分からないまま、司会者がぐんぐんと引っ張っていくこの番組は毎日異様に盛り上がっています。もう9シーズン目ですし視聴率も高いのでしょう。フランスFrance3の「Questions pour un Champion」も毎日司会者さんともども兎に角ハイテンションです。

クイズ番組で長寿の秘訣は司会者さんのキャラや力量が大きくものを言います。さらにクイズのルールがわかりやすくかつ飽きない、というところにあるのではないかと。「Des Chiffres et Des Letteres」のルールは簡単で、与えられたランダムな数字をおなじように出てきた数列に四則演算を当てはめて作り出すという「Les Chiffres」と、回答者が「母音」か「子音」かだけを選んであとはランダムに与えられた文字列からできるだけ長い単語を作り出す「Les Letteres」の2つからなっています。

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40周年記念回のタイトルロール。いつもとちょっと違う。


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与えられた数列に四則演算をあてはめてターゲットの数字を作り出す。


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アルファベットから最長の単語を作り出す。長さを競う。


たったこれだけを毎日延々と30分近く、それを延々と40年、続けていることになります。

Clipboard06.jpgこれが第一回放送の様子とか。40周年記念番組では最初の司会者やその後の司会者交代の時の様子、海外での同名・兄弟番組などさまざまな「Des Chiffres et Des Letteres」文化が紹介されました。クイズ番組って結構その番組構成自体がライセンスビジネスの対象なんですよね。日本でもアメリカで流行った「クイズ・ミリオネア」がライセンスされて放送されていた時期がありました。


Clipboard13.jpg番組制作現場や装置にまでコンピューターが取り入れられてない40年前には「Les Chiffres」なんか、まあ黒板清書状態ですよ。


自分はクイズ番組は外国語学習の教材としても役に立つと思っています。パターンが決まっているので、文脈を理解するのに苦労がありません。その分、ヒアリング能力やボキャブラリの向上に努めることが出来ます。これはおそらく外国人だけではなくて、母国語として喋る本国人にとっても同じのことのようで、「Des Chiffres et Des Letteres」の番組スポンサーはフランスでも有数の辞書、教育系出版社「Le Robert」になっています。そうそう、iPhone/iPad用、Amazon Kindle用の仏仏語辞書アプリとして紹介した「Dixel」を出している会社です。